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♪ホッホッホッと声がする シュッシュッシュッと風が鳴る♪
がんばれ元気 [amazon]
作者:小山ゆう
1976年週刊少年サンデー(小学館)連載開始
単行本 全28巻

<あらすじ>
 堀口元気はボクサーである父を尊敬し小さい頃から一緒にトレーニングをしていた。しかし、父は世界を目指すホープ関拳児との試合で死亡してしまう……。

<短評>
 70年代のスポーツ漫画全般はリアルにスポーツを描く作品は殆どなかった。それは「がんばれ元気」にも当てはまることでボクシングの描写の視点から見ると天性のパンチ力があることやディフェンス技術が凄いという主人公元気の理由付けが殆どないため、「はじめの一歩」のようなボクシング描写を求める人にとっては物足りないかもしれない。
 ただ、この漫画で見るべきところはがんばる元気の姿である。最終目標である関拳児との戦いまでの道程は大切な人の死や祖父母との葛藤など辛いもので「がんばれ元気」というタイトル名が上手く当てはまっていて、その頑張る姿に感動させられる。
 さらに作者の小山ゆうは人間味溢れたキャラクターを描くのがかなり上手い。天才という人間味溢れたキャラを作るのが難しいポジションにいる元気であるが、人間的成長を上手く見せたことで天才であることを感じさせない人間味溢れたキャラになっている。最初嫌な奴として出てきた祖父母もいい味を出している。上京した元気が祖父母を心配して家に戻ってくる話のラストシーンの祖父母は格好良くて泣ける。このように人間を描くのが上手いためボクシング描写が不味いことはあまり気にならない人間ドラマとしての傑作になっている。


勝利

 
   
努力
ストーリー SS
画力
キャラクター
構成力 SS
感動 SS
青春
評点 92


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「勝利・友情・努力」ではなく、「努力・努力・努力・努力・友情・勝利」
キャプテン [amazon]
作者:ちばあきお
1972年月刊少年ジャンプ(集英社)連載開始
単行本 全26巻

<あらすじ>
 野球の名門・青葉学院から弱小墨谷二中に転入してきた谷口だったが、2軍の補欠だったのに青葉のレギュラーが来たと墨谷ナインに勘違いされてしまう。そこから谷口の努力が始まる……。

<短評>
 あらすじには谷口が主人公かのように書いたがそれは違い、主人公はタイトル通り「キャプテン」であることは多くの人が知っていることではないだろうか。しかし、舞台を固定してキャプテンという主人公が変わっていくというのは今でも珍しくて新鮮さを感じてしまったりするのは凄い。
 キャプテンは初代から谷口、丸井、イガラシ、近藤の4人であるが、それぞれが同じキャプテンと言えない程の特徴と魅力を持っている。決断力に欠けるが人望は厚い谷口、義理人情の激しい丸井、ずっとクールなイガラシ、自己中心的な近藤と本当に千差万別。しかしそんな色んなキャプテンがいてもずっと変わらなかったことが勝つことを目標とした努力・努力・努力である。最近読んで意外と試合シーンが多いとも思ったがそれでも最も印象に残るシーンは練習風景だろう。その圧倒的努力は何もそこまでとは思いつつもやはりスポーツには努力が必要という至極当然の事を読者に感動と共に突き付ける。バットを短く持つだけで速球が打てたり、1ヶ月の努力で強豪校と互角の力を持つなどリアリティに欠ける所はある。しかし、あの練習風景を見せられるとその矛盾に納得してしまう。それだけの力が練習風景にあることがこの作品の凄さである。月並な言い方になるが野球漫画の傑作の一つであることは覆ることのない事実であり、今の子供達にも読んでもらいたい。


勝利

   
 
努力
ストーリー SS
画力
キャラクター SS
構成力
努力 SS
説得力 SS
評点 95


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「男ならね。一度は誰でも世界最強を夢見る」
グラップラー刃牙 [amazon]
作者:板垣恵介
1991年週刊少年チャンピオン(秋田書店)連載開始
単行本 全42巻

<あらすじ>
 主人公範馬刃牙(はんまばき)は「世界最強の生物」であり「父親」である範馬勇次郎を倒すために闘い続ける……。

<短評>
 一部ではネタ的に扱われているが、仕方ない気もするし許せない気もする。いや、私はどちらかというと後者である。しかし、確かにこの漫画の表現方法が少し異常な感じがあるのは否めないし、突如として使われる大文字による闘いの表現は人によっては笑いの対象となってしまうだろう。
 だが、馬場、猪木、大山倍達、貴乃花と実在の人物が明らかにモデルである人物やヤクザ、軍人、医者、暴走族とまず格闘の世界には入ってこられない人種までがあらゆる垣根を越えて闘うそのバトルは男なら痺れてしまうと思う。特にヤクザの花山薫は超ド級のインパクトを持つキャラである。強さだけでいえば他にも強いキャラがいるのだが、任侠としての戦い方が多くの読者の心を掴むと思う。また、父親勇次郎の徹底した極悪っぷりもオリジナリティに溢れている。
 この漫画を敬遠する人の理由の一つに「ありえない」というのを聞く。人として「ありえない」戦いであるという意味だろうが、人間の可能性を最高に引き出したとも言えると思う。この意見はあまりにも個人的であるとも思えるが……こういった「ありえない」戦いにこそ一種のロマンがあるように思えてならない。ようするに「考えるな、感じるんだ」ということか(笑)。
 熱い漫画としても最高だと思うし、少々不本意ながらもネタとしても最高だと思う(笑)。


勝利

 
   
努力
ストーリー
画力
キャラクター SS
構成力
魅力 SS
ネタ SS
評点 81


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プロレスファン夢の対決「馬場VS猪木」
グラップラー刃牙外伝 [amazon]
作者:板垣恵介
1999年週刊少年チャンピオン(秋田書店)連載開始
単行本 全1巻

<あらすじ>
 地下闘技場最大トーナメント終了後、プロレス界の2大巨頭「マウント斗羽」と「アントニオ猪狩」は人のいない場所で闘おうとしていた。それに気付いた一人の男は……。

<短評>
 プロレスファンにとっては見ることの叶わなかった夢の対決がこの漫画では描かれている。馬場(マウント斗羽)VS猪木(アントニオ猪狩)である。おそらくプロレスファンなら原作よりこの外伝の方が面白いと思うであろう。
 この作品の主人公は当然斗羽と猪狩なのだが、もう一人重要な役割を果たす男がいる。それが人知れず闘おうとしていた2人に気付いた名も無い男である。この男は単なる清掃員でこれといった特徴がない平凡な男だが、2人に気付きそのことを格闘雑誌の編集部に連絡したら「格闘ファンが集まるまで2人が闘うのを食い止めろ」と強制的に命令される。何とかして引き伸ばそうと努力するが2人に引き伸ばされていることを気付かれ言い寄られる。しかし彼はプロレス界の2大巨頭に言い寄られながらも言い放つ「マウント斗場とアントニオ猪狩が人知れず試合をしていいワケねェだろォォォッッッ!!」と。プロレスファンなら絶対共感できるこのセリフがとても好きである。2大巨頭相手にここまで言い放った彼無しではこの漫画は語ることは出来ない。
 無論2人のプロレスも描写がしっかりしていて素晴しい。そしてラストも夢のある終わり方で作品としての完成度は高くプロレスファン以外でもお奨め出来る。


勝利

 
   
努力
ストーリー
画力
キャラクター
構成力
プロレス SS
ラスト
評点 84


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単なる格闘漫画に収まらないスケールの大きい物語
コータローまかりとおる! [amazon]
作者:蛭田達也
1982年週刊少年マガジン(講談社)連載開始
単行本 全59巻

<あらすじ>
 マンモス校鶴ヶ峰学園の問題児新堂功太郎は騒乱の常習者として常に風紀委員に追いかけられている。業を煮やした生徒会長はコータローに懸賞金をかけるのだった。

<短評>
 59巻も続いた巨編であるが、その構成は7章に分けられている上に最初の6章は7章の為の伏線になっているというかなり豪快な作りになっている。最初は学園を舞台にした格闘漫画だったはずが政府や華僑まで巻き込んだような豪快さに加え、格闘漫画には意味が無いと思われた音楽の話も7章では確かな役目を持っているという巧みな構成で物語を大きく盛り上げたのは凄いと思う。
 ただ、物語のテンポが悪く6章すべてが巧い伏線であったというわけではない。すべての物語が収縮する7章開始まで約8年(41巻分)もかかっているのは全体的な構成として微妙である。しかしそれを補って余りある第7章の面白さが良いのである。成長した絵、戦闘描写。深みが出てきたキャラクター達。そして何より物語の盛り上がり方。すべてが良かった。
 格闘漫画としては初期の頃の絵の下手さを除けば動きの表現も上手いし、出てくる格闘技の種類も豊富で良いと思う。舞踊を格闘技にしたことも面白い。
 この作品はラブコメ要素も多いが凄いベタで無くてもいいような気もするが無いなら無いで寂しい気がする。それはギャグにも同じことが言える。希薄であるラブコメもギャグが不思議と作品に締まりをつける為に一役買っている所もこの作品の面白さの1つかもしれない。


勝利

 
   
努力
ストーリー
画力 C→A
キャラクター
構成力
伏線 SS
ラブコメ
評点 81


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「武士道は死狂ひなり」
シグルイ [amazon]
画:山口貴由 作:南條範夫
2003年チャンピオンRED(秋田書店)連載開始
単行本 既刊2巻(2004年10月現在)

<あらすじ>
 江戸時代初頭、天下の法に反して駿河城内で挙行された真剣御前試合で対峙したのは、幾多の因果の果てに対峙する片腕の若武者と盲目の天才剣士だった……。

<短評>
 山口貴由復活と言っていい渾身の一作。最近の山口貴由は絵柄の濃密さに物語が付いてこれなくなったり、混乱を招いたりしていたが原作付きとなったことで物語が大変面白い。勿論山口貴由独特の美しい絵柄も健在。1話の最初から自刃シーンかと思えばその次のページにそれを超える臓物を飛び出しながら斬り合っている2人の武士の絵はおどろおどろしくも凄い。この絵で惹きつけられた読者は多いと思う。
 物語の方は1話で対峙する片腕と盲目の剣士からいきなり盛り上がる。2人が対峙しその剣を構えるまでの迫力は凄く、さて戦いの行方はどうなるのかといった所で物語は突然2人の過去へと遡る。過去での2人は片腕でも盲目でもない剣士でありその2人の出会いから始まるわけである。この構成方法は他の作品にも多く見られるが、この作品の場合過去のどんな話よりも1話のインパクトが強いだけにどのような経緯で1話に至るのかという期待感を読者に強く持たせていると思う。
 山口貴由特有のコミカル感もなく修羅と狂気と残酷と……そんな「死狂い」が描かれる本作。まだ発売されてない3巻では伊良子への仕置きという狂気が始まるかと思うとゾクゾクする。一体どこまで描かれるか分からないが最後まで濃い「死狂い」を描いて欲しい。


勝利

   
 
努力
ストーリー
画力
キャラクター
構成力 SS
迫力 SS
残酷
評点 91


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「おれってストロングだぜ!」
柔道部物語 [amazon]
作者:小林まこと
1985年ヤングマガジン(講談社)連載開始
単行本 全11巻

<あらすじ>
 主人公三五十五(さんごじゅうご)が先輩にだまされて入った柔道部で強力な背負い投げを身につけ、柔道にのめり込んでいく物語。

<短評>
 スポーツ漫画ではどういうことか「練習」をあまり描こうとしない(特に最近の漫画)。それがつまらない訳ではないがもう少し描いてもいいじゃないかと気分になる。しかし、そういう練習を描き切っている漫画がこの「柔道部物語」である。
 しかし、単に柔道の練習風景を描いているわけではない。柔道部顧問の五十嵐先生は主人公たちに「まずは自分に自信をつけることが大事だ」と説き、「おれってストロングだぜ!」とか「おれって天才だああ!」と叫ぶことを最初に教える。これだけだと気が重くなるので「おれって馬鹿だああ!」と叫ぶことも教える(笑)。
 けど、こういう精神論は絶対大事。どんなスポーツでも自分に負けたら終わり。こういう前向きな精神は単純でありながら忘れ去られているが、それをギャグを交えながらきちんと描いている点は評価できる。そういったストーリーとギャグのバランスが絶妙な所で良いのである。
 精神論に話がそれたが、この漫画は練習の場面が大会の場面より多く描かれている(詳しく調べてないので正確には言えないが少なくとも同じぐらいの量はある)。それが評価すべき点であると私は思う。この漫画を読んで青春時代の練習風景を思い出すのも一興と思える。


勝利

   
 
努力
ストーリー
画力
キャラクター
構成力
ギャグ
練習
評点 82


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私もこれでバスケを始めた
SLAM DUNK [amazon]
作者:井上雄彦
1990年週刊少年ジャンプ(集英社)連載開始
単行本 全31巻

<あらすじ>
 中学3年間で50人に振られた桜木花道(さくらぎはなみち)が入学した湘北高校で赤木晴子に誘われるがままバスケ部に入りその魅力に引き込まれていく。

<短評>
 あまりにも有名であるが故に批判の意見をたまに聞くが、それでも傑作と聞く回数の方が多いのはこの漫画がいかに多くの人に愛されているかの証拠であろう。
 誉める所は色々あるが、まず巻数を重ねるごとに画力がアップしていき最終巻では人物の声や効果音が無くともその迫力が伝わるまでの画に成長したこと。
 次に、ギャグセンスもこの作者にはある。単行本の話の節目にある1コマのギャグはシュールであり笑いを誘うし、湘北高校のメンバーのギャグ話も笑える。
 そして、私が一番誉めたい所だが、「天才」と桜木は言い続けたが、単なる天才でなかったことだ。どんな才能があろうともその経験がなければ「素人」であり、桜木も最終巻になるまで「素人」であったことがいい。
 そして「天才」を表現する時も「人が2回飛ぶ間に3回飛ぶ」というのを言葉ではなく圧倒的表現力の絵で表現したことが素晴らしい。他の作者も「天才」を表現したいならこれぐらいはして欲しい。
 「SLAM DUNK」というタイトルでありながら最後はジャンプシュートだった。それは3ヶ月で辿り着いた「努力」の結果を最後に表現したかったと私は思う。


勝利

   
 
努力
ストーリー
画力 SS
キャラクター
構成力
ギャグ
感動
評点 89


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個人的に何度も涙した作品
奈緒子 [amazon]
画:中原裕 作:坂田信弘
1994年ビッグコミックスピリッツ(小学館)連載開始
単行本 全33巻

<あらすじ>
 長崎県波切島の漁師壱岐健介は学生時代「日本海の疾風」と呼ばれた天才ランナーだった。しかし、ある日海に落ちた子を助け命を落としてしまう。父の才能を受け継いだ息子の雄介は父の死によって助け出された子である篠宮奈緒子を強く憎むのだった……。

<短評>
 駅伝を描いている作品。陸上競技は動きの少ないスポーツであるため中々漫画にしにくいのだが、個人種目であるが故の心の動き、自分との戦いをしっかりと描いている。それにチームメイトとの繋がりが重要となる駅伝の本質を作者が分かっている為、天才ランナーである主人公雄介の独りよがりな作品にはなっておらず完成度は高い。
 またこの漫画は魅力ある脇役が多い。黒田のようなライバルだけでなく、駅伝を放送するカメラマンやチームの監督のドラマがまた面白い。特にカメラマンの意固地なカメラワークを描くだけでそのカメラマンの性格、魅力が描かれているのは白眉に値する。
 ただこの作品にはワンパターンであるという大きな弱点がある。雄介が走る前のランナーが突然倒れたり、走れなくなって大きく遅れてから雄介が次々と抜いていくという展開が何度も使用されている。走っている時の心理描写や仲間との繋がりの描写が良いだけに勿体ない。ただ個人的に言わせてもらうと父の死や監督が病気を告白するシーン等は何度呼んでも感動した作品である為お勧めしたい作品の1つになっている。


勝利

   
 
努力
ストーリー
画力
キャラクター
構成力
感動 SS
ワンパターン
評点 79


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世界チャンピオンになれる日は来るのか?
はじめの一歩 [amazon]
作者:森川ジョージ
1989年週刊少年マガジン(講談社)連載開始
単行本 既刊67巻(2003年12月現在)

<あらすじ>
 いじめられっ子の幕之内一歩はふとしか事からボクサーの鷹村守にいじめられている所を助けられボクシングジムに連れて行かれる。それがきっかけでボクシングを始めるようになる。

<短評>
 10年以上続いているマガジンの看板作品。10年以上続いている漫画は他にもあるが、一貫したストーリー漫画で10年以上続いているのはこれぐらいなものである。10年以上続いているが故に「だれてきた」や「面白くなくなった」という意見も聞くがストーリー漫画でここまで続けることができたのは賞賛に値する。
 作者自身がボクシングを良く知る人物であるため、ボクサーの肉体描写や試合描写は一級品。また一歩だけでなく脇を固めるキャラクターも魅力に溢れ、作者自身が「登場人物全員が主人公です」という言葉に恥じないものになっている。
 こういった事から「リアリティ」に溢れた作品になっている(デンプシー・ロールはどうかと思うが)。ただ元々あったリアリティをさらに追求するようになってから(40巻以降)ファン離れも起きている。確かにリアリティを追求するようになってからのストーリー展開は少々遅い感じもする。ただ、試合そのものを見るとさらに良化されている試合描写となっていて決して出来は悪くない。早く世界に出ていって欲しいという読者には耐えられないストーリー展開かもしれないが、そもそも「リアリティ」とはこれぐらいの描写である気がする。間延び感は否めないが。


勝利

   
 
努力
ストーリー
画力
キャラクター
構成力
感動
リアリティ
評点 79


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谷口くんはやはり良いキャラ
プレイボール [amazon]
作者:ちばあきお
1973年週刊少年ジャンプ(集英社)連載開始
単行本 全22巻

<あらすじ>
 中学生時代、墨谷二中を日本一にした谷口だったが怪我の為に野球を諦めようとしていた。しかしサッカーをしていても野球に対する想いは消せず野球部に入る事を決意する

<短評>
 月刊少年ジャンプで連載されていた「キャプテン」が予想以上の人気を博した為週刊少年ジャンプの編集長に呼ばれて連載が始まったこの「プレイボール」。そういった背景を見ても分かるが、作者からすれば描きたくて描いた作品ではないのであるが、出来自体は悪くないどころかかなり良い。
 その理由はこの作品の主人公が「キャプテン」の人気キャラ谷口で一貫していることが大きいだろう。それが作者にとって苦肉の策であったのかもしれないが結果的には良かった。「キャプテン」では主人公が変わっていく為に感情移入し難いところもあったが、主人公を谷口に一貫した事がストーリーを引き締め感情移入させやすくしているので読みやすさではこちらが勝るかもしれない。それにリアリティという意味では「キャプテン」よりこちらの作品が上である事は確か。いきなり日本一になった「キャプテン」と違い最初は地区大会3回戦負けであり最後でもシード校の練習試合に負けて己の力不足を思い知らされるという結末がリアルである。
 ……とは言うものの作品の後半には「キャプテン」のキャラを出してきたり試合が単調になったりと明らかな息切れを感じたのは残念だ。しかし谷口というキャラが好きな人には「キャプテン」よりもこの作品の方が薦めれる作品だとは思う。


勝利

   
 
努力
ストーリー SS
画力
キャラクター SS
構成力
努力 SS
息切れ感
評点 89


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ポカをやらかしても面白く感じるのは作者の人徳のなせる業?
モンキーターン [amazon]
作者:河合克敏
1996年週刊少年サンデー(小学館)連載開始
単行本 既刊25巻(2003年12月現在)

<あらすじ>
 幼い頃から野球選手になるという夢を持っていた波多野憲二だったが高校を最後にその夢を諦める。そんな時学校の教師に勧められ競艇場に行く。それをきっかけに競艇選手になる事を決意する。

<短評>
 競艇というマイナーな題材である。こういう漫画は題材を知らない読者を惹きつける事が難しいのだが、作者の高い取材力(全国24場全ての競艇場を取材した)と高い構成力でそれに成功している。そのため競艇の入門書としても使える。競艇玄人から見たら疑問を持つシーンもあるのだが「帯ギュ」時代からよくポカをやることで有名であるし(単行本ではお詫びのメッセージを入れている)、その疑問も些細なことでストーリー自体に大きな破綻はないので安心して読める。
 この作品は物語がドカンと盛り上がる事も無いし、感動的なものも特に無いし、淡々と進む。しかし面白い。競艇に興味が無くても面白いと感じると思う。これは誰もが出来る事ではなく、作者に実力が無ければ出来ないことだ。この辺りは「帯ギュ」より成長しているところだろう。
 ただ、キャラクターの魅力が「帯ギュ」より薄くなっている感がある。「帯ギュ」のキャラクターが良すぎたというのもあるが……比較論としてそのように見えてしまうのが少し悲しい。
 また、波多野、澄、青島、洞口の20歳をとっくに過ぎたとは思えない青臭い恋愛模様がこの漫画のもう1つの見所である。波多野は澄とあっさりくっつくのかと思ったら青島が虎視眈々と波多野を狙っている(笑)。洞口は青島しか見えていないし……個人的にはこの漫画で一番気になる所だ(笑)。


勝利

   
 
努力
ストーリー
画力
キャラクター
構成力
恋愛模様
リアリティ
評点 78


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小学生が400ヤードをかっ飛ばす
ライジングインパクト [amazon]
作者:鈴木央
1998年週刊少年ジャンプ(集英社)連載開始
単行本 全17巻

<あらすじ>
 女子プロゴルファー西野霧亜と出会ったことでゴルフの楽しさを知ったガウェイン・七海はプロゴルファーになる為に東北から上京。世界一の飛ばし屋を目指す。

<短評>
 小中学生が400Yをかっ飛ばしたり、120Y以内なら100%の確率でチップイン決めたり、70Yのパッティング決めたりなど、タイガーウッズも吃驚の技が連発されるがそこは少年漫画故のご愛嬌。少年漫画らしい熱い展開が繰り広げられている為あまり気にならない。それにガウェインの急激な進化に心を揺さ振られながらそのガウェインに励まされ調子を取り戻すクエスターやランスロットの描写は少年漫画の良さを存分に描いてあり見ていて気持ちが良い。
 作者のファンタジー好きというのがよく分かる鮮麗された絵柄、背景はゴルフの迫力を醸し出すのに一役買っている。また、この作品はかなり登場人物が多いのだが、それぞれのキャラクターに確りとした特徴があり描き分けが上手くできている。絵に関しては文句の無い出来である。
 ただ、残念ながら打ち切りというジャンプシステムの患いに遭い多い登場人物の掘り下げ、盛り上げた物語のまとめが出来ぬままに終わってしまっている。キャメロットとグラットの戦いを全く描くことが出来なかったのは作者にとっても不本意であるだろう。それでも最終巻を大幅加筆したことでそれなりの形にまとめていると思う。特にジャンプ誌上では読めなかったガウェインやランスロット達が誰と結婚したかが分かるのでジャンプ誌上でしか見てない読者には必見であろう。


勝利

 
   
努力
ストーリー
画力
キャラクター
構成力
最終巻
吃驚技
評点 74


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