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映画版とは正反対の結末
風の谷のナウシカ [amazon]
作者:宮崎駿
1982年アニメージュ(徳間書店)連載開始
単行本 全7巻

<あらすじ>
 「火の7日間」と言われる戦争から1000年後、「風の谷」の族長の娘「ナウシカ」は王蟲(オーム)を愛し静かに暮らしていたが、トルメキアと土鬼(ドルク)の戦争に巻き込まれていく……。

<短評>
 スタジオジブリの監督としてもはや知らない人はいないであろう宮崎駿が雑誌アニメージュに13年続けた(映画による休載含む)連載作。ジブリ嫌いの人は多いが、それはアニメに対してであって漫画版ナウシカのアンチはあまり聞かないことからもこの作品が皆に愛されていると分かる。
 内容を見ていくと、アニメも漫画も環境保護という社会的テーマがある。と言っても、「自然って大切です」みたいな安いテーマではない。しかし、安いテーマではなくてもアニメと漫画ではナウシカの環境保護に対する取り組み姿勢が違ってくる。最初は似たようなものだったが、最終話でナウシカが最後に出した結論はアニメと明らかに違う。多くは語らないが、私は目からうろこが落ちた結末だった。
 またナウシカを始めとしたキャラクターの魅力に溢れている。トルメキア軍の参謀クロトワはアニメと違い一癖も二癖もあるキャラであるし、巨神兵はアニメとは違う人格を持つキャラとして登場する。
 絵が賛否両論分かれる所であるとは思う。鉛筆画で書き込まれていて個人的には好きなのだが……。人によってはゴチャゴチャした見にくい絵という印象を持ってしまうかもしれない。私は正直絵については上手く語れないのだが……(汗)。
 ただ、ストーリーの完成度はいいと思うので一度は漫画版も見ておくことをお奨めする。





リアルっぽい



 
   
トンデモっぽい
ストーリー SS
画力 SS
アイデア
構成力
テーマ SS
キャラクター
評点 88


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2つの民は争うしかなかったのか
ターンエーガンダム [amazon]
画:曽我篤士 原作:矢立肇 富野由悠季
1999年マガジンZ(講談社)連載開始
単行本 全5巻

<あらすじ>
 長い時の間地球への帰還を待ち続けた人々「月の民」。月から地球調査の為に降下してきたロラン・セアックは偶然にもハイム姉妹に助けられた事が縁でハイム家に従事することになるのだった。

<短評>
 まず最初に断っておくが、私はアニメや小説版を見たことがない。あくまでも1作品の漫画として読んだ批評をさせてもらうことを言っておく。
 ……とは言ったもののメディアミックス的作品は他で見ているが、それと比べてたら戦闘シーンの描写には優れていると思う。若干綺麗すぎる絵とは思ったが構成能力はかなりあると思うしスピード感もあった。メディアミックス作品はそういった所が駄目な場合が多いがこの作品はまとまった画力、構成、描写が出来ているので読みやすかった。
 しかし何よりこの作品に目を見張ったのは登場人物たち全員である。全員に魅力があると言うより全員に然るべき舞台、出番が用意されているなと感じた。主役級ではあるがキエルとディアナには特にそれを感じた。5巻というそんなに長くない尺の中で多くの登場人物の心情や行動を描ききれているのは賞賛できると思う。正直なことを言えば5巻と言わずもう少し長く連載した方がもっと描けることが出来たのではと思ったのでそこは残念であるが。
 それとアニメや小説を見ると分かる設定等がある気がした。どうなのか分からないが結末が違う事は聞いているので一度見てみようかと思った。逆を言えばそれだけ面白く感じた作品だった。





リアルっぽい



 
   
トンデモっぽい
ストーリー
画力
アイデア
構成力
キャラクター
舞台構成 SS
評点 82


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2人の断罪が終わる日は来るのか
鋼の錬金術師 [amazon]
作者:荒川弘
2001年月刊少年ガンガン(スクウェア・エニックス)連載開始
単行本 既刊6巻(2004年1月現在)

<あらすじ>
 エルリック兄弟は死んだ母を蘇らせようと禁断の錬金術「人体錬成」を試みるが失敗して兄のエドワードは左足と弟のアルフォンスを失ってしまう。自らの右腕を代償に何とか弟の魂を錬成し鎧に定着させることに成功するがその代償は高すぎた。そして2人はすべてを取り戻す事を誓うのだった…。

<短評>
 アニメ化を機に一気に売れた本作。出来自体は悪くない。エルリック兄弟が犯した罪が常に行動の根底にあることは上手く見せているし、またこの先もこの罪こそが話の焦点になるのだろう。この2人の兄弟の「断罪」が根本にあるため話の内容は結構シビアなものになっている。このシビアさを出す為の伏線も多く張られいるが、ガンガンという少年誌連載でどこまで出来るかが気がかりではある。
 この作品における錬金術は単なる不思議な力というわけでなく等価交換が基本となる理論のある魔法として扱われている。こういった制約のある力というのはファンタジーの基本でありそれを踏まえているのは好感が持てる。まあこの漫画の理論はファンタジー好きな人が見たら到底納得出来ないものだが、そこは少年誌連載のご愛嬌であるし、この作品に求めるものではないだろう。
 ただその錬金術による戦いの効果やスピード感が弱く感じる。ストーリーの組み立てはしっかりしてるのでこの戦闘シーンをもっと上手く描ければさらに良い作品となるだろう。
 根底がシビアながらも少年漫画らしい熱さ、楽しさも兼ね備えており良質の漫画と思う。ただ、やたらと会社からプッシュされているだけに下手に話が伸びたりしないか不安である。





リアルっぽい



 
 
トンデモっぽい
ストーリー
画力
アイデア
構成力
シビアさ
錬金術
評点 77


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宇宙。それは有限の夢。
プラネテス [amazon]
作者:幸村誠
1999年モーニング(講談社)不定期連載開始
単行本 既刊4巻(4巻で第1部完)

<あらすじ>
 人類が宇宙へと進出した2070年。宇宙空間に漂うデブリ(宇宙ゴミ)の回収作業員:ハチマキは自分の船を買い自由に宇宙を飛ぶことを夢としていた。

<短評>
 宇宙を舞台としたSF漫画は数あれど、ここまでリアルでエンターテインメントに優れた作品はそうはない。SF漫画の巨匠:星野之宣を思わせる絵柄もマッチして壮大な物語が展開されている。
 私が見所と思うのは、主人公ハチマキがもう一人の自分、または自分を叱咤する謎の猫と何度と向き合い今の自分が何であるかを語り合うシーン。ハチマキはその中で「自分って何だろう」とか「宇宙って何だろう」といった疑問を持ち世の中のすべてに白けてしまった時があるのだがこういった答えのない答えを求めるというのは結構多くの人間が経験している。この手の問題は分からないままに進んで見るのも良いみたいな考え方もあるのだが私としては現時点での明確な答えは出すべきものだと思う。分からないままに進むというのは言ってみれば「無限」、明確な答えと出して進むのは「有限」と言えるが、有限であるからこそ進む先にある夢は姿を表し明確になるのだと思う。
 遥か昔は宇宙は「無限」の存在だった。しかし2004年の今でさえ宇宙が身近で「有限」の存在になってきているではないか。科学者の目から見ればまだまだ「無限」かもしれないが、それでも人類が色々宇宙で成し遂げたことは確かにある。それは手を伸ばして到達できた有限の夢だ。そんな遠くて近くにある夢を大いに感じされてくれる名作と言えるだろう。





リアルっぽい



 
   
トンデモっぽい
ストーリー SS
画力
アイデア
構成力 SS
リアリティ SS
人間ドラマ SS
評点 96


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