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人間が人間であるために
寄生獣 [amazon]
作者:岩明均
1990年アフタヌーン(講談社)連載開始
単行本 全10巻

<あらすじ>
 ある夜謎の生命体が泉新一(いずみしんいち)の脳に取り付こうとするが失敗し右腕に取り付いてしまう。こうして、ミギーと名づけられたこの生命体と泉新一の奇妙な同居生活が始まる。

<短評>
 「誰かがふと思った……。みんなの地球を守らねばと……」

 この言葉とともに物語は始まる。この言葉の真の意味はネタバレになるので書かないが重い意味を持っている。その意味を持つまで物語は途中だれる事無く進み、最後には壮大なテーマまで持って終了する。その事から見ても名作、名作とあらゆるレビューサイトで取り上げられていることは私も同感である。名作と言って申し分ない。
 この作品の主人公泉新一は第1話で自分の右腕に謎の生物が寄生してしまうわけだが、結果的に人間離れした能力を得ることになる。何でもない高校生が突然特殊能力を得るというのは「デビルマン」や「スパイダーマン」に酷似する。ただこの作品はあくまで特殊能力をもたらしたミギーとの同居に終始することが違う。物語が終わるまでに新一とミギーは何度も人間と謎の生命体について語り合う。この「語り合い」こそこの漫画の一番の名シーンだと個人的に思う。
 何年か前にこの作品に影響されて殺人事件を起こした奴がいた。こういった正にも負にも意味を持った作品は読者の本質が試される。漫画側にも読者を選ぶ権利があるのだから。

精神を刺激
 
   
生理を刺激
ストーリー SS
画力
刺激
構成力
キャラクター
人間の本質
評点 90


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やっぱりDEATH NOTEって面白ーっ
DEATH NOTE [amazon]
画:小畑健 作:大場つぐみ
2003年週刊少年ジャンプ(集英社)連載開始
単行本 既刊1巻(2004年4月現在)

<あらすじ>
 死神リュークの気まぐれにより名前を書くことでその相手を死に至らしめる「デスノート」を手に入れた夜神月はそのノートで腐りきった世界を正そうとする……。

<短評>
 あらゆる所で話題沸騰中の作品だが確かにこれは面白い。月とライバルの「L」の頭脳戦はサイコサスペンスとしての読み応えは十分で、2人のライバル意識剥き出しの様は少年漫画の如き熱さを感じさせてくれる。それに頭脳戦と言ってもデスノートの制約や月、Lの戦略を一気呵成に描くのではなく小出しで描いている為深く考ええなくても容易に読むことが出来る。
 またこの作品に緊迫感を持たせているのは2話でリュークが言ったように「素性を知られた方が死(アウト)」という設定にある。本来あまり行動的になりすぎるとボロが出て素性がばれてしまう為あまり動かない方が良策である事は多いが、月もLも相手の素性を知ることを目的としている為どうしても行動的になる。しかしそれが互いの素性を隠すことに、より緊迫感を持たせているし物語がテンポ良く進んでいる要因になっている。月が少々行動的すぎで色んな場所に足跡を残していると読者に思わせることも今後の伏線になるのではないかという期待感を読者に持たせ上手いと感じる。
 それに小畑健の圧倒的画力も見逃せない所。特に死神リュークのデザインは秀逸であるしギャグ担当でコメンテーター的役割というキャラクターも面白い。連載の間延びが不安だが今の展開なら長期化しても月VSLは上手くまとめて終わりもう1つのノートで新展開かなと勝手に思っている。

精神を刺激
 
   
生理を刺激
ストーリー
画力 SS
刺激
構成力 SS
頭脳戦 SS
リューク
評点 91


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永遠の命を捨てる旅
人魚の森/人魚の傷 [amazon]
作者:高橋留美子
1984年週刊少年サンデー増刊号(小学館)初掲載
以後週刊少年サンデー増刊号と週刊少年サンデーに度々掲載
単行本 人魚の森と人魚の傷で1巻ずつ

<あらすじ>
 不老長寿になれるという人魚の肉を食べ、長き時を生きてきた勇太は不老長寿の効果を消す方法を探して旅をしてきた。ある時、人魚が若返るために育てたという少女真魚(まな)と出会う……。

<短評>
 「命とは何か」というようなテーマを持つ作品は数多い。しかし、結局の所数学のように1つの結論が導き出されるということはない。作品の中で一応の結論は出すものの、「その結論=命の全て」ということにはならないだろう。
 この物語の主人公勇太は500年前に人魚の肉を食べ、不老長寿となった。「不老不死」ではない「不老長寿」なのだ。つまり、死ぬことは可能なのである。ただ、それは首を切るという方法のみによってであり、体を切られたり、銃で撃たれたりぐらいでは死ねないのである。
 不老長寿となり500年も経った現代で勇太は真魚という同じ不老長寿の少女と出会う。それまで勇太はずっと一人だった。旅の中で何度なく出会いもあったが、出会った人の方が必ず先に死ぬ。しかし勇太は死のうとは思わなかった。不老長寿を解く方法を探し続けた。それはどんな長き時を歩んだとしても「永遠の命」は「命」なんかではなく、「命」をまっとうしたことにならないと思ったのであろう。
 人魚の造形も見事であり神話を見ている感じさえする。個人的に高橋留美子作品の中では一番お奨め出来る作品となっている。  

精神を刺激
 
   
生理を刺激
ストーリー
画力
刺激
構成力
人魚の造形
永遠の命
評点 79


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