Top あ行 か行 さ行 た行 な行
ジャンル選択 は行 ま行 や行 ら行 わ行

「ギャグ漫画」としての全盛期
こちら葛飾区亀有公園前派出所(1〜40巻) [amazon]
作者:秋本治
1976年週刊少年ジャンプ(集英社)連載開始
単行本 既刊137巻(2003年12月現在)

<あらすじ>
 遊びと金儲けのために対し異常なまでの欲望と知識を持つ警察官:両津勘吉(りょうつかんきち)が今日も警察官にあるまじき行動で大暴れする。

<短評>
 本来なら「笑いこそすべて」に配置すべき作品かもしれない。いや、ギャグ漫画なのだからそうするべきであろう。しかしこの作品を「夢いっぱい」に持ってきたのは然るべき理由があるからである。
 実は1〜20巻の頃は劇画調で、両津も金に汚いというより破天荒警察官としての印象が強い。しかも雑学の知識がほとんど無く(野球のルールさえ知らなかった)、体力しか取り得が無かった。ではこれのどこに「夢いっぱい」な印象を受けるか。この頃はその作風より大金持ちの中川が乗る車に当時の少年たちは憧れた。おりしもスポーツカーブームでカウンタックやフェラーリの多く登場するこの漫画に憧れた少年は少なくない。無論、ギャグ漫画としてこち亀が好きな少年も多かったが。
 20巻を過ぎた頃から両津の雑学知識が無尽蔵になっていき、登場キャラクターも多くなる。この頃が個人的に一番こち亀の面白かった時だった。当時の流行りものを漫画に入れること(これは1巻の頃からだが)やアイデア作品が多くなる。アイデア作品というのは「こういうのがあったらいいよな」という子供的発想からくるものでそのアイデアは色々楽しませてくれた。
 それから20〜40巻あたりは不条理ギャグが多く、タ○チの上○達也やガン○ムのザクがでてくるなどこういった所でも子供たちを楽しませた。



ゲーム(空想的)


 
   
原っぱ(文明的)
ギャグ SS
画力
キャラクター SS
夢指数
マニアック SS
ストーリー
評点 93


このページの上に戻る   トップページに戻る


「夢いっぱい」な作品としての全盛期
こちら葛飾区亀有公園前派出所(40〜100巻) [amazon]
作者:秋本治
1976年週刊少年ジャンプ(集英社)連載開始
単行本 既刊137巻(2003年12月現在)

<あらすじ>
 遊びと金儲けのために対し異常なまでの欲望と知識を持つ警察官:両津勘吉(りょうつかんきち)が今日も警察官にあるまじき行動で大暴れする。

<短評>
 こち亀は巻によって絵柄、作風が違うので巻数ごとで分けて評価しているが、40〜100巻というのは大体の数字であることを断っておく。
 40巻を過ぎるとアイデアマンとしての両津が確立されてくる。「発明の巻」という話のネタを実際にぱくり商品にしようとした人間がいたのは有名な話でそれぐらい作者のアイデアが世の人間に衝撃を与えたということである。
 50〜60巻の頃は天国と地獄のキャラ(閻魔大王等)やロボット警察官が出たりなどちょっと微妙な次期であったが、60巻を過ぎると調子を取り戻し始めアイデアが豊富な作品が増えた。特に70巻代は一番「こち亀」は熟していた時期ということで評価が高い。
 それと70巻を過ぎた辺りから両津が妙に大人びた意見を言うようになる(大人だけど)。いじめや水問題や携帯電話等に対する見解を遠慮なく言っている様は見ていて気持ちがいい。それも100巻以降の両津を見てしまうと気持ちがいいとは言えないのだが……(苦笑)。まあそれは100巻以後の話なのでここではしない。
 とにかくこの頃のこち亀は一番安心して読める時代であった。



ゲーム(空想的)


 
   
原っぱ(文明的)
ギャグ
画力
キャラクター SS
夢指数
アイデア SS
ストーリー
評点 86


このページの上に戻る   トップページに戻る


少年達に読んでほしい感動の漫画
死神くん [amazon]
作者:えんどコイチ
1983年月刊フレッシュジャンプ(集英社)連載開始 後に月刊少年ジャンプに移籍
単行本 全13巻

<あらすじ>
 「死神くん」の仕事は、残り寿命が少なくなった人間に死の宣告をし、死ぬ時が来たら魂の尾を切ること。子供から大人、老人だけでなく、動物の死まで扱うオムニバス形式の物語

<短評>
 人の死は必然であり避けられないもの。その死を死神から告げられたとしたら、自分はどうするのだろう。すべてを諦めるのか。自暴放棄に走るのか。それとも自分の生き方を全うしようと、死を受け入れながら生きようとするのか……。
 この作品はオムニバス形式であるため、様々な人、時には動物の死を扱う。その誰もが「死神くん」に残りの寿命を告げられる。死を告げられた人々は先ほど語ったように様々な形の対応をする。自殺しようとするキャラ、中には人を犠牲にしてまで助かろうとしたキャラもいた。
 しかし、最後には誰もが気付くのである。死ぬ運命は確かに変えられないのかもしれない。だが、その運命にまで歩き続けることが人生であると。運命が決まったから人生が終わったのではない。その時まで生きているだけで人生であると。
 一話完結の物語として描かれているのでどの単行本からも読める。そして1冊につき1回は必ず泣いてしまった。それほどまでに感動した作品である。「ついでにとんちんかん」のヒットであまり知られていないが、こっちの方を断然薦める。テーマが重いようであるが、読後感は決して重くなく完成度も高い。今の少年少女たちはこういう作品を読まなくてはいけないと思う。



ゲーム(空想的)


   
 
原っぱ(文明的)
ストーリー
画力
キャラクター
夢指数 SS
感動 SS
評点 92


このページの上に戻る   トップページに戻る


「ドラクエ」の名前に負けないストーリーの完成度の高さ
DRAGON QUEST -ダイの大冒険- [amazon]
画:稲田浩司 作:三条陸 監修:堀井雄二
1989年週刊少年ジャンプ(集英社)連載開始
単行本 全37巻

<あらすじ>
 ダイはかつて魔王ハドラーを倒したアバンに勇者になる為の特訓を受けていた。しかし復活したハドラーにアバンが殺されてしまう。ダイは一緒に特訓していたポップと魔王討伐の旅に出ることにする。

<短評>
 大ヒットRPG「ドラゴンクエスト」を漫画化したものだが内容は完全な別物である。魔法や魔物等の基本設定が同じだけである。
 大魔王バーンを倒すまでに繰り広げられる戦い、物語は完成度が高い。それも「大魔王バーンを倒す」という確固たる最終目的があるからであろう。何らかの形で話が脇道に逸れがちなジャンプ作品の中では随一の物語の完成度の高さを誇ると思ってよいだろう。ドラクエの名前に負けることない物語を考え出した原作者・三条陸の功績は大きい。
 またこの物語の主人公はダイであるが、真の主人公はポップである。最初は情けない魔法使いとして登場したが戦いを重ね、最後には一番頼れる男として成長していったポップだが、そういった三枚目が二枚目へと昇華するというのは少年漫画には多いパターンで一番感情移入しやすいキャラと言える。だからこそ真の主人公と私は思っている。勿論本当の主人公ダイも魅力がないわけではない。大魔王バーンが「部下にならんか」と言ったことに対し、言い放った台詞はカッコいい。
 この漫画はストーリー、絵、キャラクター全てにおいて完成度が高い。少し戦闘が多すぎでドラクエの基本である冒険の部分が少なかったのが残念ではあるが。それと妙にエロい(笑)。



ゲーム(空想的)


 
   
原っぱ(文明的)
ストーリー
画力
キャラクター
夢指数
ポップの成長 SS
目的完遂
評点 85


このページの上に戻る   トップページに戻る


不思議な世界観を醸しだす岩泉舞唯一の出版物
七つの海 岩泉舞短編集 [amazon]
作者:岩泉舞
1989〜1992年頃週刊少年ジャンプ(集英社)中心に掲載されたものを集録
単行本 全1巻

<あらすじ(七つの海)>
 大人になりたくない少年:勇次。子供の頃に戻りたい勇次のじいちゃん。2人は同じ夢を共有していた。 そして2人とも「七つの海」というTVゲームのような世界に憧れていた……。

<短評>
 この作者の作品はどれも不思議な世界観を持っている。心の成長を描く「これぞ少年漫画」という印象もあるのだが、この作者の作品を読んだ後に心に浮かぶ何かは幻想的で幻惑的で掴みたくても掴めない本質があり、本当に不思議だ。
 この短編集の表題にもなった「七つの海」であるが、第一にその巧みな構成力に目を見張る。勇次が少年であり続けることに決別し、一歩ずつ大人への階段を登ろうと決意するまでの構成が見事の一言に尽きる。先生が「七つの海」の「使者」に似ているから好きなんじゃない、先生だから好きなんだと勇次が気付いた時に流す涙。「七つの海」のシーンが現実となった時、勇次の放ったセリフ。「童心」となったじいちゃんとの別れ。そして「使者」との別れ……。この経験を得て勇次が出来るようになったことは跳び箱の5段を跳べるようになったことだけだ。だがそれが彼にとって「七つの海」に勝る冒険であったのだ。
 「七つの海」のみを批評してしまったが、「ふろん」「たとえ火の中…」「COMCOP」等他にも名作、良作が揃っている。これだけの作品を描きながら、連載を持たなかったというのを勿体無いと思っているのは私だけではないはずだ。



ゲーム(空想的)


   
 
原っぱ(文明的)
ストーリー
画力
キャラクター
夢指数 SS
構成力
心の成長 SS
評点 84


このページの上に戻る   トップページに戻る


忍者漫画の持つ「陰」の雰囲気とジャンプ的少年漫画の融合
NARUTO -ナルト- [amazon]
作者:岸本斉史
1999年週刊少年ジャンプ連載開始
単行本 既刊22巻

<あらすじ>
 舞台は木ノ葉隠れの里。忍術学校の問題児、ナルトは歴代の勇者、火影の名を受けついで、先代を越える忍者になることを夢としていた。しかし出生の秘密が原因で大人たちからは冷たい目で見られている上に落ちこぼれでイタズラばかりしている日常だった……。

<短評>
 忍者漫画は総じて「陰」の雰囲気を持っている(ギャグ漫画は除く)。それは忍者という職業が持っている別離、殺戮、野望としての道具といった特性があるからだろう。では少年漫画であるこの作品はこの特性を持っているかと言えばやはり持っている。ただNARUTOの場合忍者という職業というよりはキャラクター全員の出生や心情に影を持たせて「陰」の雰囲気を作品に持たせているといった方が正しいと思う。少年漫画である以上そういった設定は必須とも言えるがこの作品の場合それが色濃く出されている。
 少々忍者漫画の御託に話が逸れたが、そういった忍者漫画の持つ特性をキャラクターに持たせた上でジャンプ得意の「勝利、努力、友情」なバトルものをそれと合わせて昇華させた作品が本作。しかしただ合わせただけでなく葛藤や迷いの心理描写が優れている為、感動と共感を生む良作になっている。まあ、ナルトを始めにキャラクター達が王道すぎて少々印象が薄い所があるがそこは少年漫画の御愛嬌かも。それから必殺技の薀蓄がちょっと多いのでもっとハッタリ感があっていいと思う。ただバトルだけでなく、修行シーンが多いことは個人的に大好きな所。



ゲーム(空想的)


 
   
原っぱ(文明的)
ストーリー
画力
キャラクター
夢指数
心理描写
修行シーン SS
評点 80


このページの上に戻る   トップページに戻る


少年漫画王道系の中に光るパピヨンの輝き
武装錬金 [amazon]
作者:和月伸宏
2003年週刊少年ジャンプ連載開始
単行本 既刊4巻(2004年10月現在)

<あらすじ>
 錬金術により造られた人を喰らう怪物・ホムンクルス。怪物に殺された武藤カズキは謎の少女・斗貴子に「核鉄」を与えられ生き返る。それはカズキの新たな命であると共に怪物と戦う力でもあった。

<短評>
 何だかんだで4巻まで続いた本作。連載当初から少年漫画の王道的熱さを持っていて面白かったが突き抜けたものが足りなかったような気もする。突き抜けたものというと少々語弊になるが面白いかったが今までの少年アクション漫画の要素が多くてオリジナリティに欠ける所があった事が原因かもしれない。斗貴子さんというヒロイン像は目新しいものがあったようにも思えるが現在のジャンプ読者には毒々しすぎたかもしれない(個人的には好きだが)。
 しかしパピヨンがホムンクルスとなってから大きく変わった。当然パピヨンのぶっ飛んだ行動自体も人気に繋がったのだろうが、イマイチ目立たなかったカズキがパピヨンと対比されたことでキャラが浮き彫りになったことが何よりも大きい。1巻の頃は目立たなかったカズキの正義や熱血も目立つようになった。やはりパピヨンというライバルの存在は大きい。
 それからはキャラ分けが更に出来るようになりどのキャラも良く動いている。設定等に目立つものはないがキャラが良く動くだけに見ているだけで楽しい。作者自身が一番楽しんでいる感じがする。どうもそのあくの強さから賛否両論のようだが、現在はキャラが良く動く純粋に楽しい少年漫画に仕上がっていると思う。



ゲーム(空想的)


 
   
原っぱ(文明的)
ストーリー
画力
キャラクター
夢指数
構成力
楽しさ
評点 79


このページの上に戻る   トップページに戻る